厚生労働省は1996年に、
「成人病」から「生活習慣病」へと呼び名を改め、
生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、
その発症・進行に関与する疾患群」であると定義しました。
この改正は、生活習慣病とは成人にのみ発生する病気ではなく、
未成年期からの生活習慣が関わっているということを表していますが、
成人の生活習慣病の代表的な疾患としては、
糖尿病、脳血管疾患、心疾患、高脂血症、高血圧、肥満が挙げられます。
定義のとおり、生活習慣病には、
食事、飲酒、喫煙、運動、睡眠の要素が関わるといわれています。
しかし、現代においては、食事・睡眠・運動を意識して改善しようとしても、
仕事や家庭の事情によりどうしても困難なこともあります。
生活習慣病は、今まで送ってきた生活習慣による
身体や精神へのストレスが原因となっています。
上記の代表疾患として示した
糖尿病、脳血管障害、心疾患、高脂血症、高血圧、肥満も、
その疾患ごとにわけることはできず、
すべてが密接にかかわりあっています。
治療のプログラムも、あらゆる観点からリスクを管理し、
生活に密着したものにすることが大切です。
生活習慣病は、現在増加していますが、
その理由には環境の変化が関係しています。
私たちの周りには、
生活を便利にするために作られた保存のきく高塩分の食品や、
深夜も営業している飲食店など生活習慣を乱すものがたくさんありますが、
そのような中で生活習慣を乱すことなく暮らすには、趣味や楽しみを持ち、
自分のリズムで毎日をいきいき過ごすような健全な精神が必要となります。
生活習慣病の患者には、
今までの自由だった生活に比べて規制や改善が行われていますが、
それによって人生の質が下がることは最小限にするようにすべく
いろいろな薬剤や治療法が検証されています。
広い視野でたくさんの人生の楽しみ方を知り、体験し、
それを応用して予防や治療として生活に取り入れることが大切です。
生活習慣が十人十色であるように、
その延長である治療法も多く存在するため、
生活習慣病に関しては治療で仕方なくやっているという運動療法ではなく、
自分から問題意識を持ち積極的に行えるような方法を専門職と一緒に
考えていくことが望まれます。
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