≪サルコペニアとは≫
加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下が起こること」または、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します。
サルコペニアという用語は、ギリシャ語で「筋肉」を表す「sarx (sarco:サルコ)」と「喪失」を表す「penia(ぺニア)」を合わせた言葉です。
≪サルコペニアの影響≫
私たちの筋肉量は、30代から少しずつ低下し、80歳ごろには約30%の筋肉が失われます。
年齢とともに衰える筋肉は、上肢よりも下肢の方が多く、また下肢では、ふくらはぎよりも太ももの方が多くなります。
そのため、サルコペニアは65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えてきます。
サルコペニアになると、「歩くスピードが遅くなる」「転倒・骨折のリスクが増加する」「着替えや入浴などの日常生活の動作が困難になる」「死亡率が上昇する」など、さまざまな影響が出てきます。
65歳以下の人でも、デスクワークや自動車に頼る生活習慣などによって、筋肉が著しく減っている場合があります。
若い人の中にもサルコペニア予備群がいるので、注意が必要です。
≪注意の必要なサルコペニア予備軍≫
1.やせている(BM18.5以下)75歳以上の高齢者
特にたんぱく質の摂取が少ない粗食の人は注意が必要です。
2.メタボで脚が細いタイプ
メタボや肥満を医師から指摘されて食事制限は行っているけれども、運動を全くしていないといった場合です。
このタイプは、筋肉の減少と肥満の両方を併せ持つ「サルコペニア肥満」と考えられます。
体重の負荷の割に筋力が弱いため、転倒しやすくなります。
3.若い女性
ダイエット目的で食事制限だけを行い運動をしないと、脂肪だけでなく筋肉も少なくなってしまいます。
≪サルコペニアの自己チェック≫
「歩くのが遅くなった(横断歩道を渡りきれない)」「手すりにつかまらないと階段を上がれない」「ペットボトルのキャップを開けにくくなった」、といった場合はサルコペニアが疑われます。
また、両手の親指と人差し指で「輪」を作り、ふくらはぎの一番太いところを輪で囲んだとき、輪の方がふくらはぎよりも大きい場合も、サルコペニアが疑われるそうです。
当てはまる場合は、筋肉を増やすよう、
・乳製品や肉・魚などのタンパク質やアミノ酸を含む食品を食べる
・ウォーキングなどの有酸素運動、スクワット、ストレッチなど、運動の習慣を身につける
など、生活習慣を工夫することが大切です。
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