人工透析治療を行う必要のある慢性腎不全や血友病など、長期間にわたって高額な医療費がかかる病気になった場合は、「特定疾病療養受療証」を健康保険の保険者に申請しましょう。
交付された「特定疾病療養受療証」を窓口に提示することで、1ヶ月の自己負担額が、医療機関ごと(入院、通院、薬局ごと)に定められた自己負担限度額までとなります。
対象となる病気は、次のとおりです。
①人工透析治療を行う必要のある慢性腎不全
②血友病
③抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群
自己負担限度額は、10,000円です。
ただし、①の病気については、上位所得者とその家族は20,000円になる場合があります。
「特定疾病療養受療証」の発効期日は、原則として受付した月の初日になりますので、申請が遅れないように注意しましょう。
「腎不全」とは、何らかの原因で腎臓の機能が著しく低下した状態をいい、短時間で急激に腎機能が低下する「急性腎不全」と、長い時間をかけて徐々に機能が低下してくる「慢性腎不全」があります。
慢性腎不全は、腎機能がもとに戻る急性腎不全と違い、もとの状態に回復することはほぼありません。
腎機能の低下が著しく、進行を止められない場合は人工透析や腎移植が必要になるのです。
慢性腎不全には、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病が大きく関与しています。
これらが慢性腎不全の発症リスクを高め、腎機能の低下を加速させることが明らかになっています。
腎不全はかつて、生活習慣とあまり関係ないと思われていましたが、糖尿病や高血圧を原因とする腎臓病が増えていることから、近年では生活習慣病の1つと解釈されるようになっています。
つまり、生活習慣病のリスク因子である、偏った食生活や過度の飲酒、運動不足、喫煙、ストレスなどは、そのまま慢性腎不全のリスク因子としても当てはまるため、若いうちから生活習慣の改善を心がけることが大切です。
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