生活保護を回避する境界層措置とは

先日、「境界層措置」について、介護事業者から尋ねられました。
これまでに聞いたことがなく、どのような制度なのか、利用者が受けられる軽減はどのような内容で、どのように請求すればよいのか、そんなご質問でした。
実際に、ケアマネジャーを含む介護事業者や、行政の担当者でも、知らない方の方が多いでしょう。

その人の所得や世帯状況に応じた介護保険料や介護サービスの利用料を支払えば、生活保護に該当する人が、その介護にかかわる費用を生活保護レベルに下げることによって、生活保護を免れる場合に、その減額措置を「境界層措置」と呼びます。

つまり、生活保護になるかならないかの狭間の人を対象とするため、対象者は非常に少ない制度です。
イレギュラーな形で介護保険の軽減制度の認定証が発行されるため、それを見た介護事業者は混乱し、自治体に問い合わせるも、ごく一部の担当者にしかわからないという話を聞きます。

介護保険制度開始初期の頃から存在する措置ですが、介護保険だけでなく、障害福祉にも該当する制度であるため、国の通知等を読んだ地方議員が、有益な減免措置と勘違いし、自治体に推奨しようとしたことも過去にありました。
ですが、そもそもとして、生活保護になる人が対象の制度であるため、生活保護に該当しない人には適用されないのです。

以前、生活保護は受けたくないと、頑張って生活していた高齢のご夫婦がいましたが、奥さんが特別養護老人ホームに入所したことにより、どうしても生活ができなくなりました。
状況を聞き取ると生活保護に該当すると思われましたが、ご主人が生活保護の受給を拒んだために、境界層措置をご案内しました。
措置の対象となり、特別養護老人ホームの費用がさらに軽減され、その男性は、生活保護を受けずに済んだことを喜ばれました。

対象となる方が少ない制度でも、そのお陰で助かる人や、望む生活ができる人がいるのであれば、大きな意義があると思います。
ですが、案内できる人がいなければ、意味を成しません。
生活保護を推奨するのではなく、介護にかかわる人たちが広い知識を持つことによって、利用者の状況に応じた制度を案内できれば、望む生活を送れる高齢者が増えると考えます。

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対象者が出てきてからでは手遅れなのです。
体制の整備が遅れると、従業員の不利益になるばかりか、国の助成金も受け取れません。

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