よく「103万円の壁」や「130万円の壁」という言葉を耳にすると思います。
超えると税金や社会保険に影響が出るとはわかっているものの、いざ超えてしまうとどうなるのでしょうか。
社会保険とは、国が国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度です。
民間の生命保険などは、自分のニーズや人生設計にあったものを選べば良い一方で、社会保険というのは、一定の給与水準や勤務時間の基準を満たした場合は、加入が義務付けられます。
また、社会保険と言うと、一般的に年金と健康保険を思い浮かべますが、本来は次の5つの種類があります。
・厚生年金などの公的年金
・健康保険などの公的医療保険
・労災保険
・介護保険
・雇用保険
親や配偶者の扶養から外れて、社会保険料を納めなければならなくなるには、いくつかの要件が定められています。
まずは「130万円の壁」です。
〇「106万円の壁」の条件を満たさない
〇月収が10万8334円以上(年収130万円以上の見込み)
※月収に残業手当、通勤手当、賞与を含む
上記の条件を満たした場合に加入するのが国民年金と国民健康保険です。
保険料は全額自分で負担する必要があり、負担が大きいうえに保障内容も薄いため、あまりお勧めできません。
次に「106万円の壁」です。
〇正社員が501人以上の会社でパートをしている
〇収入が月8万8000円以上
〇雇用期間が1年以上の見込み
〇所定労働時間が週20時間以上
〇学生ではない
※収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
上記の条件をすべて満たした場合に加入するのが厚生年金と企業の健康保険です。
この厚生年金と企業の健康保険の負担は企業と折半で、加入することで将来の年金受取額が増え保障内容も手厚くなります。
学生のアルバイトでは「106万円の壁」ではなく、「130万円の壁」を気にしていれば大丈夫ですが、パートの主婦の方などは「106万円の壁」の要件をチェックし、厚生年金と企業の健康保険に加入するのか、加入せずに扶養の範囲で働くのかをよく考える必要があります。
ちなみに、「103万円の壁」は、税法上の扶養を外れて、自分で所得税を納めなければならないラインです。扶養家族が減ると、扶養していた親や配偶者の税金も上がるので、その部分の考慮も必要になります。
次回は、社会保険料の自己負担や損をしない稼ぎ方をお伝えします。
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