介護保険適用外のサービス例④~認知症~

厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成28年)によると、介護や支援が必要となった主な原因としては、「認知症」が最も多く約18.0%を占めています。

介護保険の居宅サービスと地域密着型サービスの各サービスは施設生活で提供されるものを除き、要介護度により1ヶ月に利用できるサービスの量が決められています(区分支給限度基準額)。

認知症と診断されても、体が元気であれば、介護度はさほど重くならないために、保険が使える区分支給限度基準額も低い設定となり、それを超えるサービス利用はすべて自費になります。

実際に、要介護2と認定されているものの、火の消し忘れから火事をおこしかけた高齢者がいます。
離れて暮らす家族は、見守りも兼ねて、ヘルパーに朝と夜の2回、調理などの訪問介護を毎日お願いしました。
訪問リハビリや福祉用具貸与なども利用しており、限度額を超える費用が月に多く発生しています。
介護度を上げてもらう区分変更申請も却下され、介護度はあがりませんでした。

また、ヘルパーの訪問日に約束を忘れて外出することもあり、連絡を受けた家族はヘルパーに捜索をお願いしましたが、その時間はすべて自費になりました。
居宅外のサービスであるうえに、ケアプランに位置付けられていないため、訪問介護として算定できないのです。

その後、徘徊が増え、グループホームへ入所することになりましたが、食事代や部屋代等の保険適用外の費用の負担が大きく、月に20万円支払われています。
このようなケースは珍しくなく、さらに増えていくと思われます。

2025年には、認知症高齢者の人数は700万人になり、2012年当時の1.5倍とも言われています。
自分のこと、家族のことについて、もしもの時を想定した備えが必要です。

関連記事

  1. 成年後見制度を知っていますか?②

  2. ケアマネジャーは変更できる?

  3. 住み慣れた地域で最期まで暮らせる社会の実現

  4. 仕事と介護を両立させるということ~介護離職増加の原因~

  5. 介護施設は多種多様。施設の特徴を知っていれば安心です②

  6. 介護施設は多種多様。施設の特徴を知っていれば安心です①

  7. 知っていたら9万円受け取れたはずなのに

  8. 介護保険適用外のサービス例③~通院介助~

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. ブログ ~お金・年金編~

    認知症の介護にはお金がかかる
  2. ブログ ~介護編~

    要介護認定申請時の主治医
  3. ブログ ~お金・年金編~

    持ち家があれば生活保護は受給できない?
  4. ブログ ~介護編~

    オレンジリング
人気の記事 おすすめ記事