高齢化に伴い、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数は増加しており、今後、団塊世代が70歳代に突入することによって、その数はさらに増えていくと見込まれます。
介護者は、とりわけ働き盛り世代で、企業において管理職として活躍する方や職責の重い仕事に従事する方も少なくありません。
そうした中、介護は育児と異なり突発的に問題が発生することや、介護を行う期間・方策も多種多様であることから、仕事と介護の両立が困難となることも考えられます。
ですが、継続的に介護を行うためには、経済的な負担がかかります。
また、介護が終了した後の生活を視野に入れて考えても、経済的基盤は重要です。
介護に直面しても、すぐに退職することなく、仕事と介護を両立するための制度を上手に活用しましょう。
「働きながらの介護」を前提に、介護はプロの事業者にお任せし、家族はその環境を整え、心の繋がりを大切にしてください。
【仕事と介護を両立するための制度】
●介護休業
・・・労働者(日々雇用される方を除く)が、要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の対象家族を介護するための休業
・対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を分割して取得可能
・対象家族の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹及び孫
●介護休暇
・・・要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者(日々雇用される方を除く)は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うための休暇の取得が可能
・半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能
●介護のための所定労働時間の短縮措置等(選択的措置義務)
・・・事業主は、要介護状態にある対象家族の介護をする労働者に関して、対象家族1人につき、以下のうちいずれかの措置を選択して
講じなければならない
①所定労働時間の短縮措置
②フレックスタイム制度
③始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
④労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度
・介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能
●介護のための所定外労働の制限(残業の免除)
・・・対象家族1人につき、介護終了まで利用できる所定外労働の制限
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