厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成28年)によると、介護や支援が必要となった主な原因としては、「認知症」が最も多く約18.0%を占めています。
介護保険の居宅サービスと地域密着型サービスの各サービスは施設生活で提供されるものを除き、要介護度により1ヶ月に利用できるサービスの量が決められています(区分支給限度基準額)。
認知症と診断されても、体が元気であれば、介護度はさほど重くならないために、保険が使える区分支給限度基準額も低い設定となり、それを超えるサービス利用はすべて自費になります。
実際に、要介護2と認定されているものの、火の消し忘れから火事をおこしかけた高齢者がいます。
離れて暮らす家族は、見守りも兼ねて、ヘルパーに朝と夜の2回、調理などの訪問介護を毎日お願いしました。
訪問リハビリや福祉用具貸与なども利用しており、限度額を超える費用が月に多く発生しています。
介護度を上げてもらう区分変更申請も却下され、介護度はあがりませんでした。
また、ヘルパーの訪問日に約束を忘れて外出することもあり、連絡を受けた家族はヘルパーに捜索をお願いしましたが、その時間はすべて自費になりました。
居宅外のサービスであるうえに、ケアプランに位置付けられていないため、訪問介護として算定できないのです。
その後、徘徊が増え、グループホームへ入所することになりましたが、食事代や部屋代等の保険適用外の費用の負担が大きく、月に20万円支払われています。
このようなケースは珍しくなく、さらに増えていくと思われます。
2025年には、認知症高齢者の人数は700万人になり、2012年当時の1.5倍とも言われています。
自分のこと、家族のことについて、もしもの時を想定した備えが必要です。
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