老齢基礎年金の繰上げ支給を請求し、後悔された女性がいます。
老齢基礎年金は、原則として65歳から受けることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰上げて受けることができます。しかし、繰上げ支給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。
その方は、「年金制度はいつ破綻するかわからない。私自身いつ死ぬかもわからない。だから貰えるうちに貰う。」と、老齢基礎年金を繰上げて受け取りました。
本来の受給額は年額約70万円。60歳から受け取られましたので、約50万円に減額されました。
その3年後です。くも膜下出血で倒れ、命はとりとめましたが、後遺症が残り、介護を必要とする生活になりました。
本来であれば、約100万円の障害基礎年金が生涯もらえる状況です。
ですが、繰上げ請求をしたために、障害基礎年金の請求ができず、約50万円の年金額は生涯変わりません。
毎月約10万円の介護費用を親族が負担することになりました。
年金の繰上げ請求には、他にもリスクが伴います。
私はご相談いただいたときに、余程生活に困っている方か、病気を抱えて長寿が見込めない方以外は、繰上げ請求をしない方がいいことをお話します。
今、あなたにもしものことがあった時、どんな公的制度が利用できて、どれだけの支給が受けられるか、把握できていますか?
一度、ご家族で確認することが大切です。
約100万円の障害基礎年金が貰えなかった方
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