65歳から住所地に納める介護保険料は、原則、半年から1年の間に特別徴収(年金天引き)に移行します。
それにより納め忘れがなくなるわけですが、様々な理由により特別徴収できない方もいます。
今日は、「介護は必要ない」と保険料納付を拒否し続けた方が、家庭崩壊に至った悲しいお話をお伝えします。
もと大工だったその男性は、年金額も少なかったため、介護保険料の特別徴収ができない方でした。
「健康には自信がある。介護なんか必要ない。」と、年間約6万円の保険料の納付を拒否し続けました。
その方が70歳を過ぎた頃だったでしょうか。転倒し、頭を打ったことにより寝たきりの状態になりました。
家族は離れて暮らす息子さんしかいなかったのですが、タイミングよく入所できる施設が見つかりました。
当初、父親の収入から、軽減制度を利用することにより、月の費用は6万円程度だと聞いていた息子さんですが、保険料滞納により給付制限を受けることを知りました。
1割負担が3割負担、軽減制度も利用できず、月に20万円余りを支払わなければなりません。
息子さんは専業主婦だった奥様に働いてほしいと頼み、その収入は介護費用に消えていきました。生命保険の解約や貯蓄の取り崩しも余儀なくされ、夫婦仲が険悪になったことは言うまでもありません。
息子さんは「こんなことになるくらいなら、介護保険料くらい俺が払ったのに。」と、涙ながらにおっしゃっていました。
年金、健康保険、介護保険などの公的な制度は、もしものことがあった時に味方になってくれます。
何もなかったときに、「保険料がもったいない」ではなく、「健康でよかったね」と考えられる方が、安心と豊かさを持てるのだと思います。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。