可能なら学生納付特例制度は利用しない方が効率的です

20歳になったら国民年金を納めることになりますが、学生のうちは「学生納付特例制度」を申請し、就職してから追納する方や追納せずにそのままにしておく方は少なくありません。

平成30年度の国民年金保険料は月額16,340円です。
学生が払うには高い保険料だと思いますが、可能なら学生納付特例制度は申請せず、親が支払ってあげる方が効率的です。

年金保険料は所得税や住民税における社会保険料控除として100%控除されます。

親と子の間に年収格差が大きい場合、日本の所得税制(累進税率)を考えると、年収の少ない子が支払うよりも年収の高い親が払う方が税効果が高くなります。
また、親に限らず、生計を一にする親族であれば、払った人が申告できます。

学生納付特例制度は、あくまでも納付の猶予であり、免除ではありません。
承認期間は、年金受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の年金額の計算には反映されません。

10年以内であれば追納することができますが、3年度目以降は加算金が上乗せされるため、追納が遅くなればなるほど追納額は高くなります。

「親が子どもの代わりに国民年金を支払い税控除を受ける、そして子どもが卒業して社会人になったらその分を親に返す」という方法の方が、家計全体で考えれば合理的と言えます。

なお、希望する人は本来の保険料とは別に付加保険料(月額400円)を納めることができます。

これにより、老齢基礎年金の受給権を得たとき、老齢基礎年金に加えて「200円×付加保険料納付済月数分の付加年金」が支給されます。

つまり65歳以降2年を超えて受給することができた場合、それ以降はすべてプラスに転じることになります。

言い換えれば、2年で支払った保険料の元が取れる年金です。

また、国民年金には前納割引制度があります。
口座振替による1年前納だと毎月払いより4,000円程度、2年前納だと15,000円程度も安くなります。

現在の金融機関の金利を考えると、とてもお得な制度です。

可能であるなら、付加年金に加入し、2年前納で国民年金を納付されることをお勧めします。

 


 

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