介護保険料の算定の仕方の疑問点

65歳以上の人を対象とした「平成30年度介護保険料決定通知書」は6月または7月に送付されます。
国が決めている介護保険料の算定方法について、「年金が二重算定されているのはおかしい」「そもそも意味が分からない」というお声を聞きましたので、今日はそのご説明です。

低所得の方を対象とした、介護保険料や利用料の軽減制度などの算定には、「本人の合計所得金額と公的年金等の収入金額の合計」を用います。

≪「合計所得金額」とは≫
所得金額は、収入金額から必要経費に相当する金額等を差し引いて算出されます(所得の種類ごとに計算方法が決まっています)。
公的年金等の収入であれば年金収入額から公的年金等控除額を差し引いた金額になり、株式等の譲渡損失などの繰越控除を受けている場合は繰越控除前の金額となります。

そのようにして算出された所得金額の合計が「合計所得金額」で、基礎控除や扶養控除、医療費控除などの所得控除をする前の金額となります。

配当所得や株式等譲渡所得は、税が源泉徴収され確定申告不要の場合がありますが、確定申告をすることにより合計所得金額に含まれます。

≪「公的年金等の収入金額」は≫
課税対象となる老齢・退職年金などの収入金額の合計です。非課税となる年金(遺族年金・障害年金・老齢福祉年金など)は原則含みません。

≪合計所得金額と公的年金等の収入金額の合計≫
収入と所得という税法上別のものを合計すること、年金所得が含まれる合計所得と年金の収入を合計することで、年金が二重で算定されることに疑問を持つ人は少なくありません。
ですが、この基準は国が決めており、市区町村で変更できるものではありません。

ではなぜ、国は合計所得金額と年金収入金額を合計するのでしょうか。

高齢者の多くは、年金のみの収入で生活しており、年金の控除額は他の収入の控除額に比べて大きく設定されています。
年金の控除額は所得や年齢によって異なりますが、一般的に120万円です。
つまり年金収入120万円の人も無年金の人も年金所得は同じ0円となります。

合計所得だけで計算すると、年金120万円の人と無年金の人が同じ保険料になって不公平が生じます。
また、年金収入だけで計算すると、他に給与所得や不動産所得等の所得がある人との不公平が生じます。
このため、合計所得と年金収入の合計で、低所得の方を対象とした、介護保険料や利用料の軽減制度などを算定することになっています。

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